ヒキコモリ奮闘記

元引きこもり男の生活を綴ります

人の上に立つという事

先日、現場責任者になったという話を書いた。
現在のところは穏やかにやらせていただいている、ちょっとしたトラブルがあり、客先に謝ることもあったけど少なくとも施工管理ほどハードな仕事ではない(これは僕が慣れていることもあると思う)

ビルメンの現場責任者の仕事は
・工事・点検関係の見積もりや発注、日程の調整
・資材の管理
・設備員の教育、そして設備員一人ひとりの能力の見極め
・緊急対応時には陣頭指揮をとる

一番変わったのは工事や点検の見積もりや日程の調整を行う事だと思う、多くのビルメン会社は自社で様々な点検や工事を行っているけど、実際には協力会社を使う事がほとんど。
協力会社と日程の調整を行い、客先とも打ち合わせをして、自社にも報告をしないといけない、一日中電話をかけている気がする。
今までは責任者が出してくれた日程を見て「あー、この日に点検やるのかー」くらいの感じだったけど、その裏にはそれなりの苦労がある事を知った。

しかし一番難しいのは教育や能力の見極めだと思う。
例えば「この日に消防点検がありますよ」と言うだけで去年の点検記録を調べて、点検内容や不具合状況を把握してくれるような優秀な人もいれば、「わかりました、準備します」と言っておきながら何も準備せずに当日を迎えてしまう人もいる。
この人には一人でやらせるのは危ないな、とか…。非情なようだけどトラブルを回避するためにも能力の見極めは必要だ。
これに関しては僕も昔は同じような感じだったので強くは言えないけど、一緒に仕事をしているとだいたいの傾向は分かるので、注意が必要な人には大きな点検や工事が迫るとその都度、一から教えてあげるようにしている。
「こんな初歩的な事を説明すると馬鹿にしてるようで嫌だな」と思いつつも基礎からしっかりと教えたほうが間違いはない、業界歴5年以上の人でも意外と抜け落ちていることはある。
時間的な余裕があればマニュアルを作成するのも有効だ。

細かい人間関係のトラブルにも悩まされる、僕の親父と同じくらいの歳の人が細かいことで喧嘩して仲裁に入らなければいけなかったり。
正直なところ、うんざりすることもあるけど、皆さんに気持ちよく仕事をしてもらうような環境を作るのも大事な事だ。
折り合いの悪い人にはペアを組ませないようにするとか、工夫はしている。

あとはやはり、休日にかかってくる電話だろう。
緊急時には休日だろうと電話がかかってくる、内容としてはくだらないことも多い、単なる操作手順のミスで機器が動かないのを故障と勘違いしたとか、引継ぎのミスで情報が混乱したので確認の電話が来たとか。
そのくせ、客先からクレームが来たのにその連絡はくれなかったりと、現場の設備員と責任者(一応)との意識の違いを痛感する。

とはいえ、こうしたことは責任者になるまで全く考えが及んでいなかった。
立場が人を育てるというのは良く言われるけどその通りだと思う。