ヒキコモリ奮闘記

元引きこもり男の生活を綴ります

31歳元引きこもりが女性と二人きりで食事に行った(3年ぶり人生2度目)

世間一般で言えば31歳ともなれば結婚して子供がいてもおかしくない。
しかし僕は恋愛はおろか、人生において女性とまともに会話したことすら殆どない。

最後に、というか人生最初に女性と接近(?)した経験というのは3年前の28歳の頃。
引きこもり自助会を通じて知り合った女性と2人で食事したりカラオケ行ったりしたのが唯一の経験でした。

その時は結局、3回目に会う事はなく、LINEを既読スルーされて終了というありがちな結末を迎えたのでした。

そんな僕が3年ぶりに女性と二人で食事に行った、これは僕の人生にとって一大事なので書かないわけにはいかない。

たぶん超長くなります。

経緯

その女性は同じ会社の人で、2歳ほど年下
ビルメン会社はたいてい清掃や警備、受付の部署があって、受付の部署の人です。

前に設備員として勤めていた現場が一緒だったので、2年位前からお互い顔は知っている程度の間柄でした。

ちょっとした機会に会社で一緒に会って、少し会話したのが2ヶ月ほど前、この時初めて彼女の名前を知りました。
会話した印象としては、すごく穏やかで優しそうな方という印象でした。

後日、今の案件が一段落ついたときに上司と飲みに行く機会があって、
『プライベートの方はどう?彼女できた?』
「全然ですねー…」
『この間の彼女はどう?』
「いい子でしたよね」
『噂によるとあの子、最近彼氏と別れたらしいよ』
「なんでそんな情報知ってるんですか!でもそうなら上手いことセッティングしてくださいよ!そしたら一生ついていきます!」
こんな感じの会話を冗談半分でした覚えがあります。

まさかの…

そのあと、ちょっとした仕事の時に、彼女と二人きりになる機会がありました。
(詳細は割愛しますが、後ろで誰かが糸を引いているとしか思えない、めちゃくちゃ不自然なシチュエーションでした。)

こういう時に連絡先とか聞いちゃっていいのかな……、でも一応勤務中だしな……とか思いながら他愛もない世間話で場を繋いでいると、彼女の口からまさかの一言が

『そうだ、連絡先、交換してもらっていいですか?』

!!!

「はい、もちろん!交換しましょう!」

同年代の女性に連絡先を聞かれたのは人生初の経験でしたが、無事にLINEを交換できました。
僕のように恋愛経験が皆無だと、いろいろと深読みをしてしまいますが、一般的には連絡先を聞くくらいはそんな大層なことではないんでしょうね。
あっさりと連絡先を交換してしまいました。

夜……

その日の夕方、彼女からLINEが。
『今日は同年代の会社の人とお話ができて良かったです』
めちゃくちゃ絵文字使ってたので、いかにも女性とLINEしてるなーって感じがしてドキドキしたものの、
うーん、やっぱり僕が意識しているような感じではなさそう。
「こちらこそ、お話ができて良かったです」

そんな中身があるんだかないんだか分からないようなやり取りを続けているうちに夜も遅くなってきて、僕は意を決して送りました。
「もしよろしかったら、今度一緒に食事でもどうですか?」
未読のまま、返信はありませんでした。

翌朝……

夜が明けて、朝の支度をしていると返信が
『ぜひ、どこか行きましょう』

!!!!!

3年ぶりの快挙達成の瞬間です。

1週間後の仕事終わりに会う約束をしました。
さっそく、彼女の最寄り駅の近くにあるお洒落なレストランを予約。
まだかまだかと日々を過ごしながら毎日LINEのやり取りを続けていました、彼女の事を知りたいし、僕の事も知ってほしい。
普通の人のように接するのは彼女を騙すような気がしたので、僕は言葉の端々から闇を匂わせていきます。

彼女とのLINEは基本お互いに長文なんですけど、
「僕は色々とわけありなんですよね…」みたいな一文を入れた気がする。

決戦当日の試練

待ちに待った運命の日、定時で帰って一直線だ!と思ったその時
職場のおじさんA(60代)『飲みに行かないか?』

!?

「すみません、ちょっと用事が…。」

おじさんA『用事があるのはしょうがないから、10分でもいいから顔出しなよ』

「わかりました…。」
LINEで彼女に「すみません、遅れます」と送って、お店にも予約時間から遅れてしまう事を了承してもらい、居酒屋へ

おじさんA、おじさんB(60代)、僕の3人で飲みに行くことに

おじさんB『君、また資格合格したんだって?』
「ああ、はい…。」
おじさんB『びっくりしたよ、自分から周りに自慢げに言いふらすから、あんなの持っててもね、仕事ができなきゃ駄目』
おじさんA『自分で事業やってる人だったら使えるんだけどね』

うーん、資格試験に合格したことを話したのは確かだけど、自慢したつもりはないんだけどなー…と思いつつ
「ええ、はい…。」と俯きながら答える僕。

おじさんB『ビル管だの、電気工事だの、そんなの持ってても何の意味もないんだからね』
おじさんA『いや、ビル管は使えるよ』
おじさんB『君はね、いつも見てると声が小さい、覇気がない、何やってるんだと思うよ』
「ええ、はい。少しずつ、自分を変えていく努力をしていきます。」

おじさんたちとの飲み会はいつもこんな感じである。

「すみません、申し訳ないのですが、そろそろ失礼します。」

生ビールを1杯飲み、20分ほどで居酒屋を後にしました。

ほろ酔い状態で駅まで全力疾走、この日に限って気温が暖かく、汗だくになってしまった。

結局、彼女を一時間以上待たせてしまうことに…。
説教くらうわ、メインイベントに遅れるわ、最悪である。

人生二度目の女性との食事

駅に着くと、改札前ですぐに彼女が声をかけてくれた。
大きなマスクをしていたのですぐに彼女と認識できず、一瞬固まってしまった(失礼)

話をするとやっぱり1時間以上、待っててくれていたらしい。
予約したお店に入ると、なかなかお洒落でそれっぽい雰囲気が漂っていた。
【○○駅 デート】で検索したお店だったんだけど、やはりGoogleは信用できる。

よくよく考えると、彼女の顔をじっくり見たことが無くて、駅で認識できなかったのはそのせいもあったのかも。
テーブルで向かい合わせに座ると嫌でも顔が目に入るので、話をしながらもずっと、かわいらしい顔をしているなーと思ってました。

料理が運ばれてくると、彼女がサッとお皿に取り分けてくれて、優しいな、気が利く子なんだなと思う反面、自分の気配りのなさに軽く自己嫌悪。

初めて女性と食事に行った時は気まずい沈黙が何度もあって、半分心が折れていたけど、今回は不思議と沈黙の時間は殆どなかった。
それは僕の成長とかではなくて、彼女の人柄による部分が大きかったと思う。

どこそこのパンがおいしいとか、そんな他愛もない話をすごく楽しそうにするので、こちらも楽しい気分になってくるし、彼女の笑顔につられてこちらも笑顔になる。

スポーツ経験はあるか、というような話になったので、僕は
「中学時代は野球部だったんですよ、ただ中学時代の話をするとちょっと暗い話になっちゃうんですけど…。」

『あっ!じゃあこの話はやめたほうがいいですね』

「いや、話します。実は中学校ほとんど通ってないんですよ。」
この話を会社の人にしたのは初めてで、僕にとっては人に知られたくない数多くある汚点の一つなんだけど、彼女には話しておきたいと思った。

『この間ラインでしてた訳ありっていうのはその事だったんですね、てっきり刑務所にでも入ってたのかと思ってずっと悩んでました』と笑ってくれた。

続けて
『でも、そういうつらい経験があるから人の痛みが分かるし、○○さんの優しさはそういうところから来てたんですね』
と言ってくれた、社交辞令かも知れないけど、そう言ってもらえてうれしかったし、救われた気がしました。

その後の話の中で、彼女は県内有数の進学校を卒業しているという事も知った。
大学も出ていると言っていたから、きっといい学校を出ているんだろう。

僕とは180度違う人生を歩んでいるように見えて、少し寂しかった。
詳細は書かないけど、彼女も彼女で様々な挫折を経験したのだと話してくれた。
それでも本来は僕と食事に行ってくれるような人ではないのだろうと思った。


そう思いつつも、不思議と後ろ向きな気持ちにはならなくて、ただただ楽しかったです。
気づいたら2時間以上経ってて、お店の閉店時間が近づいてました。

僕はこの歳になって女性との交際経験もなく、恋愛の駆け引きも男女間の機微も分からないけど、もう一度彼女と会いたいなと思ったし、僕は彼女の事を好きになったのだと思いました。

一応そのあともLINEのやり取りは続いていて、2度目に会う予定もできそうです。

彼女も僕と同じ気持ちならとても幸せだけど、もし片思いでも彼女には感謝です。



31歳にもなって、なんてことを書いているのだろうか。